長期間トラックを使用しない場合の保管時の注意ポイントとは
ケガや病気などにより長期間トラックを運転することができなくなってしまい、トラックを長期間保管することが余儀なくされることもあるかと思います。また、現場作業や荷物の輸送時などトラックが必要な時以外は買い物や町ノリなど普段乗りに使用することは少なく、ひとたびトラックを使用するシーンがなくなると駐車場や倉庫、車庫などで保管することになると思います。
少しの間だけ保管している分には問題ありませんが、長期間保管する必要がある場合は、保管状態や管理が悪いとトラックに悪影響があります。また、長期間使用しなくてもトラックを所有していることに対して「かかるお金」もあります。
そこで今回は、長期間トラックを使用しない場合の保管時の注意ポイントについて紹介していきます。
トラックを動かさずに長期保管する場合の課題を解決
保管場所の選定について
長期保管する場合に最も避けたいのはボディやエンジン内にサビ、腐食等を発生させる雨、湿気です。雨ざらしの野外駐車場に保管した場合は地上から上がる湿気も加わり劣化速度を著しく速めてしまいますので極力避けるようにしてください。
トラックの保管場所は屋根のついている倉庫や車庫などで保管しておくことがベストです。
しかし、どうしても野外にしか保管する場所がないという場合は、トラックにシートなどをかけて、雨や湿気を避けるようにしてください。
また、閉め切り状態で保管しているとカビが発生する可能性がありますので、晴れた日は直射日光に当て、換気も行いましょう。
「自動車重量税や保険の中断手続きを行って支払いを止める」
トラックを使用せずに保管している場合でも、当然のことながら「自動車重量税」や「自動車保険料(任意・加入保険)」の支払いは継続する必要があります。しかし、誰しもが使用してもいないトラックに保険や税金を支払い続けることは負担でしかありませんよね。
ですが、自動車重量税や自動車保険料はトラックを使用していない期間の支払いを止めることができるのです。
■自動車重量税の支払いを止める方法
自動車重量税の支払いを中断するには「一時抹消登録」と言う廃車手続きを行うことで、登録期間中は公道を走行することができませんが、自動車重量税の支払いを止めることができます。
また、廃車手続きと言っても長期間車輌を保管することを前提として、負担を軽減するために設けられた手続きですので、再びトラックを使用する際には再登録を行うことで再び使用することができます。
■自動車保険料(任意・加入保険)の支払いを中断する方法
自動車保険料を中断するために解約するという選択肢もありますが、いったん解約してしまうと「等級割引」が使用できなくなりますので、保険を解約するのではなく「中断」することをお勧めします。
自動車保険の中断を行う場合は、加入している自動車保険会社から「中断証明書」の発行を受ける必要があります。しかし、自動車保険の中断を行うには、「7等級以上である事」と、中断事由に該当する「一時抹消の事実及びその日付が確認できる公的資料の写し」が必要です。
当然のことながら、停止期間中にトラックを使用して事故等を起こした場合は「保険適応外」ですので絶対に乗らないようにしてください。
保管前に行っておくべき遵守事項
1.燃料は空にせずに満タンにしタンクの劣化を予防する
安全性や劣化等を考慮して保管前に燃料タンクの燃料は全て抜いておいた方がいいと勘違いしてしまいがちですが、これは全くの反対です。燃料をカラにして長期間放置してしまうと、タンク内には水分や腐食性ガスが発生し、乾燥・湿潤(ぬれ)を繰り返すことから錆、腐食の発生が進行してしまいます。
また、燃料ポンプ内も同様に乾燥することでシール類等の劣化が進みます。乾燥を防ぐために燃料を満タンにしておく必要があるのですが、燃料自体の劣化を防ぐためにガソリン、ディーゼル等燃料に適した燃料劣化防止剤を必ず添加しておくようにしてください。
2.バッテリーの端子を外しておく
バッテリーはトラックが走行することで発電されるようになっており、トラックを使用していない時でも少量の電流を流していますので、長期間走行しないとバッテリー内に蓄電されている電力が消費され、いざトラックを使用する時にはバッテリー上がりになっている可能性があります。長期間保管する際は電力の消費を抑えるためにもバッテリーの端子を外しておくようにしてください。
3.適正なタイヤ空気圧に調整
定期的に走行せず一定のポジションを保ったまま長期保管する場合は、タイヤの同じ場所に重量負担をかけることになりますので、タイヤが変形してしまいます。空気圧を下げる必要があるタイヤだけを保管する場合とは違い、変形やひび割れ等を防ぐためにも常に高めの空気圧を維持するようにしてください。また、ゴム内の薬品がにじみ出る可能性もありますのでタイヤ下に段ボール等を敷き、長持ちさせるために太陽光、熱、油を避けるようにしてください。
4. 定期的にエンジンを始動する
エンジンを全くかけずに長期間が過ぎるとエンジン内にあったオイルがオイルパンに落ちて、エンジン内部のパーツの劣化が早くなってしまうなど、トラブルが発生する可能性がありますので、たとえ使用することがなくても定期的にエンジンを動かしてあげるようにしてください。
まとめ
今回は、長期間トラックを使用しない場合の保管時の注意ポイントについて解説していきましたが、長期間保管するには保管スペースや駐車費用なども必要になってきますし、トラックを長期間使用しないことによる劣化は免れません。
トラックを使用しない期間が長引きそうな方は買取を選択したほうが経済的かもしれませんので、長期間使用する予定がない方は買取を検討してみてはいかがでしょうか。